扇屋|北区岸町|創業1648年。落語『王子の狐』にも登場する老舗の味、一子相伝の「扇屋」で味わう極上厚焼き玉子

JR王子駅北口を出て徒歩1分。音無親水公園の美しい緑とせせらぎの手前に、こぢんまりとしながらも強い存在感を放つ屋台のようなお店があります。

厚焼き卵の持ち帰り専門店「扇屋(おうぎや)」さんです。

創業は、なんと、慶安戌子(1648)年! 3代将軍・徳川家光の時代まで遡る、都内屈指の歴史を誇る老舗です。

江戸時代、徳川吉宗が飛鳥山に桜を植えて行楽地として賑わうと、扇屋は料理屋番付の上位に名を馳せる大料亭へと発展。 看板料理だった「玉子焼き」は当時から大人気で、玉子焼きだけを買い求める客のために店先に売店が設けられていたほどでした。

そして、古典落語の名作『王子の狐』に登場する料亭こそが、まさにこの「扇屋」さんなのです! 人を化かそうとする狐が、男に化かされて名物の玉子焼きをご馳走になるというストーリーでも知られ、落語ファンにとっても聖地のような場所です。

時代を超えて守り抜かれた「一子相伝」手焼きの技

時代の波を乗り越え、現在は料亭から「厚焼き玉子専門店」へと形を変えた扇屋ですが、受け継がれてきた職人の技と味覚覚書は今も昔も変わりません。

機械には一切頼らず、すべて職人による手作業・手焼き。 添加物を使わず、一子相伝で継承されてきた秘伝のカツオ出汁を贅沢に合わせ、職人が付き切りで丁寧に焼き上げていきます。一度に焼けるのはわずか5本。

(画像は厚焼き玉子のハーフサイズ)

通常時で1日約30本、王子稲荷神社の初午祭や年末などの繁忙期には約60本もの玉子焼きを焼き上げるため、厨房では徹夜作業で伝統の味が作り続けられています。 売店裏の厨房から焼き立てが次々と運ばれてくるため、店頭には常に心躍るような香ばしさが漂っています。

だしの旨味と上品な甘み。名物「厚焼玉子」と「親子焼」

お店のお母さんに包んでいただき、無事持って帰ってまいりました! わくわく

扇屋の看板メニューは、極めてシンプルな2品のみ。 「厚焼き玉子」と「親子焼」です。

食べやすい大きさに切りました。 元は先ほどのマットレスみたいな大きさですからね、ハーフサイズなのに。

まずは、「厚焼き玉子」からいただきます! お箸を入れるとわかるのですが、じゅわっと出汁が凄いのです。甘いタイプの玉子焼きです。

ふわっと優しい口当たり。出汁は代々受け継がれてきている秘伝のカツオ出汁。 家庭料理のようなどこか懐かしい温もりと、料亭としての格調高い気品が見事に調和した味わい。 そのまま食べるのはもちろん、私は醤油と一緒に頂くのが好きでした!

大根おろしと一緒に食べるのも美味しそう。 おかずとしても、お酒のつまみとしても良い、有能さです。

お次はこちら!

こちらも食べやすい大きさに切りました、「親子焼」です。

旨味たっぷりの国産鶏ひき肉と、香りの良い三つ葉を練り込んで焼き上げた食べ応え抜群の逸品。

甘みのある玉子とジューシーな鶏そぼろの旨味が相性抜群で、爽やかな三つ葉がアクセントに! 上品な味わいで、こちらもおすすめです。

王子散策のお土産に、江戸の粋を連れて帰ってみては

王子稲荷神社の参拝帰りや、飛鳥山公園・音無親水公園の散策の途中に立ち寄り、買い求める人々が引きも切らない「扇屋」さん。

店舗での購入はもちろん、日本橋高島屋(地下1階)での販売や、公式HPでの通信販売も行われているため、全国どこにいても老舗の味を楽しむことができます。

大晦日の狐の伝承や落語の江戸情緒に思いを馳せながら、秘伝の出汁がジュワッと溢れる伝統の厚焼き玉子を味わってみてはいかがでしょうか。

扇屋の店舗情報

【住所】〒114-0021 東京都北区岸町1-1-7 新扇屋ビル1F
【電話番号】03-3907-2567(電話対応11:00〜19:00)
【公式HP】https://www.ouji-ougiya.jp
【営業時間】13:00〜19:00
【定休日】水曜日・年末年始(年末は予約販売のみ)・他臨時不定休業あり

ミワとは何者?

桜田 実和(さくらだ みわ)
<経歴>
2000年生まれ、千葉県出身。立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。 「観た人の人生を豊かに出来る俳優」を体現すべく、 舞台や体験型演劇のキャストなど「生」の対話に軸を置いて活動中。

自身が中高時代に生活を演劇に救われた経験から、 2022-2024年まで演劇メディアAudienceにて 「広く演劇の魅力が届くように」との想いでライターを担当。

<個人的なこと> 王子エリアは劇場や稽古場があることから、大学時代から通っていました。魅力溢れる街を、縁あってこうしてよりディープに知ることが出来ることがとても嬉しいです!